「風の森・みむろ杉を楽しむ会」

先週の金曜日、「風の森・みむろ杉を楽しむ会」を開催致しました。

ご参加頂きましたお客様、誠にありがとうございました。

 

6月は「風の森」オンリーの日本酒会を予定しておりましたが、たくさんのお申込みを頂き、当初ご用意していた出品数では足りなくなったため、急遽「みむろ杉」を醸す今西酒造さんの銘柄を追加してお楽しみ頂きました。

「風の森」を醸す油長酒造さん、「みむろ杉」を醸す今西酒造さん、ともに奈良県に蔵を構える、創業300年を超える老舗蔵になります。

そんな歴史ある酒蔵のある奈良県は、清酒発祥の地と言われています。

油長酒造さんは1719年創業で、奈良県御所市に酒蔵があります。

「風の森」が誕生したのは1998年のことになりますが、同じ御所市ある「風の森峠」から命名されました。

「風の森」はほぼ全ての酒が非加熱の酒、すなわち「生酒」になります。

しかも濾過や加水もしない、「無濾過無加水生」(無濾過生原酒)のまま出荷されています。

濾過や火入れを行わない「生酒」は風味が劣化する恐れがありますので、一年中「生酒」の状態で出荷する酒蔵は少ないですが、油長酒造さんでは独自に開発した機械などを使用することで空気に触れる機会を極力少なくし、「生酒」のリスクを最小限にとどめているわけです。

また、2018年3月からは一升瓶の取り扱いをやめ、四合瓶に統一しました。

これは新政酒造さんも同様ですが、味わいが変化しやすい「生酒」を出来るだけ良い状態で飲んでもらいたいとの思いからです。

それでは今回の出品酒ですが、乾杯酒を含めまして、合計21銘柄です。

この中で乾杯酒にさせて頂いたのは…

一番右端にあります「三諸杉 袋しぼり 大吟醸 金賞受賞酒」です。

漢字ラベルのこちらは、地元流通ブランドで、創業時から地元で愛されてきたものです。

5年連続で金賞受賞となった、蔵元渾身の酒です。

その他右から順番に…

①風の森 純米 秋津穂 しぼり華 無濾過無加水生

②風の森 純米大吟醸 秋津穂 しぼり華 無濾過無加水生

③風の森 純米 露葉風 しぼり華 無濾過無加水生

④風の森 純米大吟醸 露葉風 しぼり華 無濾過無加水生

⑤風の森 純米 山田錦 しぼり華 無濾過無加水生

⑥風の森 純米吟醸 山田錦 しぼり華 無濾過無加水生

⑦風の森 純米大吟醸 山田錦 しぼり華 無濾過無加水生

⑧風の森 純米 雄町 しぼり華 無濾過無加水生

⑨風の森 純米吟醸 雄町 しぼり華 無濾過無加水生

⑩風の森 純米 愛山 しぼり華 無濾過無加水生

⑪風の森 純米大吟醸 愛山 しぼり華 無濾過無加水生

⑫ALPHA 風の森 TYPE1 純米 夏の夜空 無濾過無加水生

⑬ALPHA 風の森 TYPE1 純米 無濾過無加水生

⑭ALPHA 風の森 TYPE1 DRY 純米 無濾過無加水生

⑮ALPHA 風の森 TYPE2 純米大吟醸 無濾過無加水生

⑯ALPHA 風の森 TYPE3 純米大吟醸 無濾過無加水火入れ

⑰鷹長 菩提もと 純米酒 生

⑱みむろ杉 特別純米 辛口 露葉風

⑲みむろ杉 Dio Abita 無濾過原酒

⑳今西 純米吟醸 朝日

 

①から⑪までが、現在発売されている「風の森」しぼり華シリーズの全ラインナップになります。

「秋津穂」は地元で栽培されている飯米で、油長酒造さんが「風の森」ブランドを立ち上げてから使用しているものです。

特に地元の人々に「秋津穂」で醸した酒を飲んでもらいたいと思っていたそうですので、「風の森」においては無くてはならない米になります。

「風の森」では80%精米の酒が多数造られていますが(露葉風、山田錦、雄町、愛山)、これは磨き過ぎないことで米の旨みやその個性を出せるのではないかという挑戦ではないかと思われます。

上記4つの写真のうち、すべて右側にあるのが、80%精米の酒になります(露葉風、山田錦、雄町、愛山)。

 

また、従来の「風の森」の枠を超えて目標を定め、独創的な技術で日本酒の可能性を追求するブランドとして「ALPHA」というシリーズを造っています。

これらは、すべて「秋津穂」で醸しています。

右側の3つは「TYPE1」というシリーズで、低アルコール酒になっています。

⑬⑭は14度ですが、⑫は夏酒となるもので、アルコール度数は12度と、暑い季節でも飲みやすくなっています。

「TYPE2」は、獺祭を超える22%まで磨いたものになります。

「TYPE3」は、海外の方にも生酒のようなフレッシュな酒を飲んでもらいたいとの思いから、唯一火入れの酒になっています。

 

⑰は「鷹長」という別ブランドになります。

こちらは「菩提もと」という技法で醸されたもので、この技法は室町時代に奈良市にある菩提山正暦寺で創醸されました。

これによって、安全な酒母造りができるようになり、現在の清酒造りの基本となる技術が整いました。

濃醇旨口の酒で、予想していた以上に美味しいとおっしゃるお客様が多かったです。

 

「風の森」の他にご用意したものがこちらです。

⑱⑲は平仮名ラベルになっていますが、これは限定流通ブランドになっており、特約店でのみ販売されています。

先日発表された「SAKE COMPETITION 2019」では、このすべての銘柄が「純米部門」、「純米吟醸部門」で10位以内に入っています。

⑳の「今西」ブランドは、当主となる今西さんの名字を冠したこだわりの酒になります。

「朝日」という飯米を使用していますが、年々「朝日米」を使用して醸した酒も増えているようです。

 

「風の森」シリーズはすべて炭酸ガスが含まれていますので、優しい発泡感をお楽しみ頂けたのではないかと思います。

ただ、お米由来の豊かな味わいを楽しむには、数日経ってからの方が良さそうです。

実は今回もこの会を開催するにあたって、開催日数日前にあらかじめ開栓したものと当日開栓したものを2種類ずつご用意することも考えましたが、出品数があまりにも多くなってしまうと思い、今回は断念しました。

お客様からも是非その違いを楽しみたいとのご要望を頂きましたので、いつか開催できればと思います。

 

 

それからお料理ですが…

先 付  三輪そうめん 美味出汁 海老 じゅんさい ズッキーニ

前 菜  平目ジュレ びんろう茄子 鱧の湯引き梅肉ソース

寿 司  奈良名物 柿の葉寿司 さば さけ  五目玉子焼き 酢取り茗荷

焼き物  関西風白焼

煮 物  女将特製 冬瓜の貝柱葛餡掛け

揚げ物  鮎の天ぷら

食 事  うな丼 出し汁 薬味

香の物  胡瓜 大根 蕪 人参 守口漬

 

先付は、そうめん発祥の地とされる三輪のそうめんです。

初夏らしい爽やかな一品です。

 

前菜は、出汁のきいたジュレと平目、見た目も綺麗な翡翠茄子に胡麻クリームを掛けたびんろう茄子、鱧の梅肉の3点盛りとし、こちらも初夏を意識したものになっています。

 

そして、いつものお造りに代わり、趣向を変えて、奈良名物の柿の葉寿司をご用意しました。

 

煮物には、女将の一品としまして、走りの冬瓜を使って、干し貝柱の出汁とともにお召し上がり頂きました。

 

揚げ物には、こちらも旬の鮎を使った天ぷらです。

 

お料理はいかがでしたでしょうか?

 

 

〆は、今回も元応援団長のKさんにお願いしました。

7月、8月は鰻屋の繁忙期となります。

元気が出るように元気一杯のエールを頂戴しました。

ありがとうございました。

 

7月、8月の日本酒会の開催がないということもあってか、たくさんのお客様にご出席頂きました。

出品酒も21種類ありましたので、飲み過ぎてしまったというお客様もいらっしゃったようです。

次回は9月を予定しております。

また、皆様にお会いできるのを楽しみにしております。